2004 年 46 巻 12 号 p. 2549-2555
症例は61歳,女性.健康診断の上部消化管X線造影検査により胃体下部小彎後壁に多発する隆起性病変を指摘されて当科受診.内視鏡検査にて同部位に径10mm~20mm大の結節状の隆起の集合を認め,生検で低分化型腺癌であった.幽門側胃切除術(D1+β郭清,Billroth I法再建)施行.深達度Mの互いに連続性のない低分化型腺癌4個を認めた.fi症例の様に連続性のない結節性の隆起型低分化型腺癌が同時多発した胃癌の報告は極めて稀であり貴重な症例と思われる.