2004 年 46 巻 12 号 p. 2567-2574
70歳女性.主訴は食欲不振.CT検査,超音波検査および注腸検査により,右側横行結腸への腸重積と診断した.大腸内視鏡検査では,肝彎曲部にほぼ管腔を占める隆起性病変を認めた.生検診断は絨毛腺腫であった.回盲部切除を行ったが,手術時には腸重積は消失しており,盲腸に約3.5cmの隆起性病変を認めた.隆起の頂部は開口しており,虫垂先端までつながっていた.切除標本の病理学的検索で虫垂重積症と判明,虫垂近位側の2/3は腺管絨毛腺腫で覆われていた.盲腸結腸型腸重積をみた場合,その原因として虫垂重積も考慮に入れなければならない.