2004 年 46 巻 12 号 p. 2594-2599
【背景】内視鏡的乳頭切開術.(endoscopic sphincterotomy:EST)後の小さな総胆管結石の摘出におけるメモリー®8線バスケットの有用性を明らかにする目的で検討を行った.【方法】ESTを施行した61例の総胆管結石患者を対象としたが,1cm以上の結石を有'する患者では,機械式砕石バ深ケット(mechanical lithotriptor:ML)を用い。結石を胆管内で1cm以上まで破砕した.まず,通常の4線バスケットと,採石用バルーンカテーテルを用いて採石を行い,内視鏡的,X線的に結石が無くなった事を確認した後.メモ.リー®8線バスケットで,再度,採石を試みた.後日7胆道造影を行い結石の遺残を確認した,【結果】メモリー®8線バスケットにより,4線バスケット及びバルーンカテーテルで採石終了となった.47.5%(29/61)で1小結石の追加摘出が可能であった.その後の胆管造影で,遺残結石を認めたのは2例(3.3%)と低頻度であうた.【結論】総胆管結石患者のEST後に,1cm以下の小結石を内視鏡的に摘出するため,メモリー®8線バスケットは極めて有用な処置具であった.