日本消化器内視鏡学会雑誌
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大腸内視鏡検査における斜型先端透明フードの有用性
津村 剛彦鳥居 惠雄藤田 真也武田 純疋田 宇西川 温博越智 次郎三浦 賢佑
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2004 年 46 巻 12 号 p. 2589-2593

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抄録

 近年大腸内視鏡検査における斜型先端透明フード(以下OTC)の有用性が報告されている.今回われわれは,従来型のロング(L)フードより有効長を短くしたショート(S)フードとウルトラショート(US)フードを新たに開発し有用性について検討を行った.大腸内視鏡検査経験年数4年以上の6名の内視鏡医の行った1,005例と1名の初心者の内視鏡医が行った177例の症例を対象とした.経験のある医師による盲腸への平均挿入時間はフードなしが12.4±0.3分,USフードが9.0±0.3分,Sフードが8.5±0.4分,Lフードが6.9±0.8分であり,OTCを用いることにより有意に短時間で盲腸へ到達することができた.SフードではLフードに比較し視野と操作性が改善された.一方Lフードを用いることにより初心者の内視鏡医は7カ月後には盲腸への挿入率が90%を超え,挿入平均時間が16.4±1.8分となり,技術の習得に有用であった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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