日本消化器内視鏡学会雑誌
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食道静脈瘤治療の現況―内視鏡的硬化療法手技―
高瀬 靖広
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2005 年 47 巻 1 号 p. 58-65

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抄録
食道静脈瘤に対するendoscopic injection sclerotherapy(EIS)で重要なことは,主要な静脈瘤に対しては硬化剤を静脈瘤から流入路まで注入することであり,症例によってはその上流の供血路まで注入して芋ずる式に隣接する静脈瘤も閉塞することである.具体的には,今流で言うと"balloon-occluded retrograde injection sclerotherapy(B-RIS)"と表現できる手技で,少なくとも初回ないし2回目くらいまで処置することで,その後の残存した静脈瘤には,再発例に見られる粘膜固有層の静脈瘤や全身状態不良例などに対するように結紮術やレーザー照射などで処置し,必ずしも静脈瘤内注入によるEISにこだわる必要はない.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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