日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的乳頭切除術を施行した早期十二指腸乳頭部癌の1例
伊藤 啓藤田 直孝野田 裕小林 剛木村 克巳洞口 淳高澤 磨
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2005 年 47 巻 1 号 p. 66-72

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抄録

症例は65歳の男性.2002年8月胃検診にて胃潰瘍疑いとされ近医を受診した.上部消化管内視鏡検査で十二指腸乳頭部の腫瘍性病変を指摘され,当科紹介入院となった.内視鏡検査にて乳頭部に露出腫瘤型の腫瘍性病変を認め,生検で高分化型管状腺癌と診断した.超音波内視鏡検査および胆管内超音波検査では,腫瘍は乳頭部に限局し,深達度mの早期乳頭部癌と判定した.十分な説明と同意のもと内視鏡的乳頭切除術を施行した。病理学的にpatAdcpb,深達度m,IyO,vOの乳頭管状腺癌であり,切除断端は陰性であった.内視鏡的乳頭切除術は,正確な術前診断と適切な標本の検索により,早期乳頭部癌に対しても応用可能な治療法と考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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