日本消化器内視鏡学会雑誌
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限局性腹膜播種を伴った虫垂癌による完全型虫垂重積症の1例
岩川 和秀田中 仁杉山 圭三市川 幹郎梶原 伸介栗原 憲二
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2005 年 47 巻 12 号 p. 2664-2669

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抄録
症例は79歳女性.貧血の精査にて大腸内視鏡検査を受け,盲腸に3cm大の隆起病変を認め,1型進行癌と診断された.腹部CT検査にて腸間膜根部付近に4cm大の腫瘤を認めた.回盲部切除術を施行したが,虫垂の腫瘍が先進部となり盲腸内に完全に内翻した状態であった.病理組織学的には,反転した虫垂の先端部に高分化腺癌を認め,中心部は粘液癌となり漿膜外へ露出していた.腹腔内の腫瘍は生検にて粘液癌であり,腹膜播種性転移と診断された.虫垂重積と限局性腹膜播種という稀な進展形式をきたした虫垂癌症例を経験した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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