日本消化器内視鏡学会雑誌
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原発性胆汁性肝硬変における食道静脈瘤とその治療
松井 秀隆竹下 英次恩地 森一
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2005 年 47 巻 5 号 p. 1077-1084

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抄録

 原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis:PBC)は肝硬変に至らない早期の段階から門脈圧亢進症を呈し,食道静脈瘤からの出血が初発症状となる症例があることが明らかとなった.PBCの病期の進行とともに食道静脈瘤の合併率は増す.しかし,早期の段階からred color signがあって出血の危険件の高い静脈瘤を合併する症例もある. PBCに合併する食道静脈瘤はウイルス性及びアルコール性肝硬変と比較し,治療後の再発が早く門脈圧亢進症が強い.静脈瘤を合併すると生命予後は悪く,静脈瘤破裂後の治療には難渋する. PBCの診断がつけば上部消化管内視鏡検査による静脈瘤の検索し,甲期治療が必要である.

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