2005 年 47 巻 5 号 p. 1114-1120
66歳女性.胆嚢総胆管結石に対しESTを行ったが,バスケット鉗子が嵌頓した.エンドトリプターでは結石を破砕できなかった.術後血便が出現しショックとなり,腹部CTにて後腹膜穿孔を認めた.TAEにより止血が得られ,以後保存的加療で改善した.嵌頓結石はバスケット鉗子ごと自然排石し,腹腔鏡下胆嚢摘出術の後退院した. ESTを含めた内視鏡的胆道処置後出血に対して内視鏡的治療が行えない場合や無効な症例にTAEは有効な治療法であり,外科的治療の前に試みる価値がある.