悪性十二指腸狭窄に対して2例の経胃瘻的十二指腸ステント留置術を経験した.症例1は71歳男性.膵頭体部癌による幽門十二指腸狭窄に対し,胃瘻造設に加え経胃瘻的に十二指腸ステント留置術を施行した.術後2週間で原病死したが,術後早期より3分粥までの摂取が可能であった.症例2は63歳男性.膵頭部癌による十二指腸狭窄に対し,胃瘻造設および経A的十二指腸ステント留置術を施行した.術後1カ月で原病死したが,術後早期より全粥までの摂取ができ死亡当日まで経口摂取が可能であった.2例とも合併症を認めず,挿入時の苦痛なく正確なステンティングが可能であり,極めて有用性が高いと考えられた.