2006 年 48 巻 12 号 p. 2786-2791
症例は33歳女性.18歳時潰瘍性大腸炎(以下UC)と診断された,今回の主訴は腹痛,関節痛であり,ステロイドによる点滴静注療法に奏効しないため白血球除去(LCAP)療法を施行した.LCAP療法5回終了後,治療前に認めた下掘れの潰瘍が著明に改善し,腹痛と関節痛も消失した.一般に下掘れ潰瘍を伴うUCに対し顆粒球除去(GCAP)療法は効果が弱いと報告があるが,下掘れの潰瘍を伴うUCに対し,LCAP療法は著明な改善効果を示した.LCAP療法は下掘れ潰瘍を伴うUC治療の一つの選択肢になると考えられた.