日本消化器内視鏡学会雑誌
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炎症性腸疾患の治療と内視鏡―内視鏡所見の標準化と活動性指標の選択―
松井 敏幸和田 陽子平井 郁仁宗 祐人
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2006 年 48 巻 3 号 p. 291-302

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抄録
炎症性腸疾患(IBD)患者数は増加し,通常治療を超える新治療の開発が多数なされている点で,注日すべき分野である.その診療と治療評価に内視鏡が有用である.潰瘍性大腸炎では,診療に果たす内視鏡の役割は明快であるが,いまだ定評のある指標が存在しないようである.そこで内視鏡重症度評価と治験における活動性指標の選択について述べた.Crohn病では,活動1生を計る指標としてCrohn's disease activity index(CDAI)を世界的に用いる.しかし,内視鏡分類は,適切なものが確立されていない.より客観的な指標の開発とその有効性評価が急務であろう.わが国のIBDの臨床が世界と伍して高いレベルになるには,これらの理解が欠かせない.最後に,小腸内視鏡によるIBD治療の現況についても述べた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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