日本消化器内視鏡学会雑誌
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大腸腫瘍の内視鏡治療における後出血に関与する因子の検討
別府 加寿子寺井 毅阿部 哲史坂本 直人小林 修長田 太郎永原 章仁大草 敏史荻原 達雄三輪 洋人佐藤 信紘
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キーワード: 偶発症, 後出血, 内視鏡治療
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2006 年 48 巻 4 号 p. 987-992

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抄録
【目的】大腸腫瘍の内視鏡治療において,後出血のリスクの高い症例の特徴を明らかにするために,患者背景の因子を一致させたcase-control studyによる検討を行った.【方法】内視鏡治療後,出血を認めた34例を出血群として抽出し,後出血を認めなかった症例のうち,出血群と年齢,性を一致させて無作為に選んだ136例を非出血群として対象とした.この2群間において,後出血と最も関連性がある因子を検討した.【結果および結論】単変量解析の結果,Ip型病変,腫瘍径の大きい病変,上行結腸の病変,EMRを行った病変は後出丘且の頻度が高く,内視鏡治療の際に十分な注意を払う必要があると考えられた.特に多変量解析の結果,腫瘍径の大きい病変で後出血のリスクが最も高いと考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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