日本消化器内視鏡学会雑誌
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出血性胃潰瘍に対する高張Naエピネフリン液局注により形成された重複幽門の1例
奥 隆臣和田 優子和賀 永里子藤田 美悧長町 康弘前田 征洋
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2006 年 48 巻 6 号 p. 1210-1214

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抄録

症例は59歳,女性.前庭部小彎に中心に露出血管を有する胃潰瘍を認めHSE局注にて止血処置を行った.2週間後には局注を行った潰瘍中心部に十二指腸との瘻孔を認め,重複幽門を形成していた.前庭部小彎は重複幽門の好発部位であるが,本症例ではこれまでの報告に比べ短期間に瘻孔が形成されており,HSE局注の関与が示唆された.これまでにHSEによる重複幽門形成の報告はなく貴重な症例と考えられたため報告する.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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