日本消化器内視鏡学会雑誌
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H.pylori除菌前後の内視鏡像の変化
上村 直実秋山 純一熊谷 義也
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2007 年 49 巻 1 号 p. 3-11

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抄録
 Helicobacter pyloriが発見されて以来,上部消化管疾患の概念が変わり,それとともにH.pylori感染が胃粘膜の内視鏡像に影響することが判明してきた.H.pylori感染により生ずる組織学的胃炎が除菌により消失することも明らかになっている.H.pylori感染に関連する組織学的変化は内視鏡像にも反映されるため,除菌により内視鏡像も大きく変化する. 除菌による最大の組織学的変化は炎症細胞の浸潤と腺窩上皮の過形成が改善することであり,これに伴う内視鏡像の変化は胃粘膜の浮腫の改善と点状および斑状の発赤所見の消失である.その他の内視鏡所見として,胃体部大彎では皺襞の腫大や蛇行が改善し付着粘液が消失する.さらに前庭部にみられる鳥肌様粘膜も除函により改善する.一方,胃体部の頂上型ビランや前庭部および十二指腸球部の発赤・ビランは除菌後に新たに出現する内視鏡像である.疾患としては,胃MALTomaや過形成性ポリープなどが除菌により改善ないしは消失する.除菌前後の内視鏡像を熟知することは日常診療においても重要である.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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