日本消化器内視鏡学会雑誌
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IIc+IIa型早期癌類似の形態を呈した胃力ルチノイドの1例
小沢 俊文渡辺 秀紀奥村 浩二土屋 豊一丹治 伸夫安斎 幸夫海上 雅光
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2007 年 49 巻 11 号 p. 2839-2845

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抄録

 症例は49歳,男性.主訴は心窩部痛.胃X線造影および内視鏡検査で胃体上部後壁に,IIc+IIa型病変を認めた.髭状のはみ出しから癌が疑われたが,生検ではカルチノイドであった.EUSで深達度SM深部浸潤と判断したが希望によりESDにて切除した.病変は10×7mm大で深達度sm massive,静脈およびリンパ管侵襲陽性であった.一部に異型度やKi67標識率の高い部分が観察され,同部位では核分裂像も多くみられた.背景粘膜はHelicobacter pylori陽1生の高度萎縮性粘膜で高ガストリン血症を伴っていたが,抗胃壁細胞抗体は陰性であった.除菌成功後にペプシノーゲンI/II 比および血中ガストリン値は正常化した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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