抄録
本稿では,1999年よりわれわれが開発してきた内視鏡の観察光の分光特性を狭帯域特性へ変更 (短波長側にシフト) することで,病変の視認性や表面微細構造,毛細血管観察の向上を可能にしたNarrow Band Imaging (NBI) systemの大腸内視鏡検査における有用性について述べた. NBI systemの登場により,腫瘍の血管新生にもとづく病変の視認性の向上,毛細血管構築を中心とした従来の内視鏡では観察できなかった微小血管診断学が浮き彫りになってきた (endoscopic microangiology : EMA) . NBIを大腸内視鏡検査に導入することにより,腫瘍/非腫瘍の鑑別に要する色素観察が不要になると共に(Optical chromoendoscopy), Micro-vessel pattern (MVP) 観察により質的/量的診断が瞬時に可能となるだろう.また,NBIをはじめとしInstrument-based chromoendoscopyともいえる新技術の開発に伴って,High-contrast endoscopyといった大きな概念として色素内視鏡はStain-basedとInstrument-basedに分ける必要性が出てくるものと考えられる.