2007 年 49 巻 8 号 p. 1848-1853
【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy : PEG)における新しい胃壁固定法(カテラン針固定法)を考案するとともに,従来法である鮒田式固定法と比較検討した. 【方法】カテラン針固定法は,カテラン針2本とナイロン糸を用い,内視鏡観察下に胃壁と腹壁を結紮固定する方法である.手技の難易度を検討する目的で,カテラン針固定法と鮒田式固定法の施行時問を比較した. 【結果】50例にカテラン針固定法を行い,偶発症は見られなかった.固定時間中央値は,カテラン針固定法360秒(n=39),鮒田式固定法247秒(n=28)で,鮒田式固定法が有意に短かった.しかし,初心者による鮒田式固定法は380秒(n=14)であり,カテラン針固定法と有意な差は見られなかった. 【結論】カテラン針固定法は,1)安全で特殊な器具や手技を必要とせず,容易に施行できること,2)従来法と比べ低コストであることから,有用性の高い手技と考えられた.