日本消化器内視鏡学会雑誌
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縦走潰瘍が多発したcollagenous colitisの1例
渡邉 隆平川 克哉佐藤 茂河内 修司中島 豊青柳 邦彦松本 主之飯田 三雄
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2008 年 50 巻 1 号 p. 27-33

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抄録
 症例は68歳,女性.逆流性食道炎のためランソプラゾールを内服中,持続する水様性下痢のため来院した.大腸内視鏡検査で横行結腸からS状結腸にかけて細長い縦走潰瘍が多発していた.生検組織において粘膜上皮直下の肥厚したcollagen bandを認め,collagenous colitisと診断した.ランソプラゾールの中止により臨床症状は速やかに改善し,縦走潰瘍の瘢痕化,および生検組織所見の正常化を確認した.一般にcollagenous colitisでは大腸内視鏡所見に異常を認めないとされるのに対し,自験例は縦走潰瘍を伴った貴重な症例と考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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