日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的乳頭バルーン拡張術による胆管結石除去後に発生した重症急性膵炎の1例
安井 智明坂東 俊宏相原 司生田 真一吉江 秀範飯田 洋也河合 孝菊地 勝一岸 清彦片岡 保朗山中 若樹
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2008 年 50 巻 1 号 p. 46-51

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抄録
症例は30歳代の男性で全身倦怠感と黄疸で入院した.MRCPで胆嚢結石と約5mmの総胆管結石を認め,乳頭バルーン拡張術(EPBD)による胆管結石除去術を行った.乳頭を,径6mmの拡張バルーンで約2分間拡張し,術中トラブルなく結石除去を終了した.術後重症急性膵炎を合併したが,集中治療により救命した.EPBDは乳頭切開術にくらべ容易に施行できる一方で,ある程度の頻度で急性膵炎を合併する.したがって,慎重にその適応を考慮すべきで,膵炎の予防策も講じておくべきであると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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