抄録
【目的】粗造度を定量する画像解析手法を開発し,有用性を視覚的に判定した粗造度との比較により評価する.【方法】潰瘍性大腸炎69人の,139枚の内視鏡画像を用いた.画像の赤フレームを空間微分し,粗造度をその平均値とした.視覚的粗造度は,3人の内視鏡医(E1, E2 , E3)が,0から1までの視覚的アナログスケ-ル(VAS)で評価した.139画像の評価セッションを日を変えて3回施行した.【結果】空間微分の総平均値は28.9±10.9であった.VASの平均値は内視鏡医によらず一定であった(0.42±0.23 for EI,0.45±0.19 for E2 and 0.43±0.28, p>0.05). VASの相関係数は,0,957(EIとE2),0.914(E2とE3),0.950(E3とEl)(それぞれp<0.0001)であった.空間微分の平均値とVASとは,有意な相関を示した(r=0.711for EI, p<0.0001;0.672 for E2 , p<0.0001;0.826 for E3, p<0.0001 ).【結論】この手法は,粗造度の評価に有用である.