経皮内視鏡的胃瘻造設術(以下PEG)における創部出血は早期合併症として知られているが,今回内視鏡の透過光による腹壁の皮下血管を透過させ,皮膚切開時にその血管をはずすことで創部出血を予防できるかを検討した.PEG施行した144例を対象として,PEG穿刺部の皮膚切開を小切開群(20例),大切開群(86例),透過血管を確認して血管をはずして大切開した群(38例)の3群に分けて創部出血,創部感染の頻度を比較検討した.創部出血は小切開群では0%に対して大切開群では7.0%と多いが,血管透見群では0%で発症を認めなかった.創部感染は小切開群では10%であったが,大切開群は2.3%と少なかった.血管透見群では0%であった.内視鏡の透過照明を利用して体表の皮下血管を同定し,皮膚切開時にその血管をはずすことにより創部出血を予防できることが明らかになった.