2019 年 16 巻 1 号 p. 71-74
導入から約 30年が経過し,現在では腹腔鏡下大腸切除術は標準術式としての地位を確立している。また,この間に腹腔鏡手術侵襲の低減だけでなく,さまざまな恩恵や新規知見をわれわれにもたらしてきた。本稿では外科手術における永遠のテーマともいえる手術部位感染症(surgical site infection:SSI)に着目し,腹腔鏡が大腸切除術における SSI発生に与えた変化に関して,これまでに得られてきたエビデンスを中心に概説し,今後の展望について考察した。