2019 年 16 巻 4 号 p. 226-228
腸管前処置には物理的に糞便を除去するmechanical bowel preparation(MBP)と経口抗菌薬を投与するchemical bowel preparation(CBP)があり,1980年代,本邦では術後感染予防目的に両者が行われていた。しかし,1980年代後半から1990年代に多発した重篤なMRSA腸炎の原因の1つとして,CBPによる腸内細菌叢の撹乱が想定され,学会や専門家の間でCBPは推奨されなくなった。その結果,1994年に約80%の施設で行われていたCBPは,2008年に約10%まで減少した。