日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
総説
消化器外科手術前にchemical bowel preparationを行わなくなった理由
福島 亮治
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2019 年 16 巻 4 号 p. 226-228

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抄録

腸管前処置には物理的に糞便を除去するmechanical bowel preparation(MBP)と経口抗菌薬を投与するchemical bowel preparation(CBP)があり,1980年代,本邦では術後感染予防目的に両者が行われていた。しかし,1980年代後半から1990年代に多発した重篤なMRSA腸炎の原因の1つとして,CBPによる腸内細菌叢の撹乱が想定され,学会や専門家の間でCBPは推奨されなくなった。その結果,1994年に約80%の施設で行われていたCBPは,2008年に約10%まで減少した。

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© 2019, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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