2020 年 17 巻 1 号 p. 2-7
陰圧創閉鎖療法は創傷治癒を促進する方法としてさまざまな創管理に使用されてきた。2019年に予防的な一次創閉鎖創に対する有効性を検証した3報のランダム化比較試験が報告された。従来の結果にこれらのエビデンスを加えてシステマティックレヴューとメタ解析を行った。NPWTにおける標準創閉鎖法と比較したSSI発生率はリスク比0.55,95%信頼区間は0.33─0.92であり,NPWTによるSSI低下効果は統計学的に有意であった(P=0.02)。ファンネルプロットは非対称性を示し,I2値 65% (P=0.009)であり高度の異質性を認めた。一次創閉鎖における予防的NPWTはSSI予防効果が再検証された。一方で異質性を認めており,対象疾患を均一にしたさらなる研究も必要である。