日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
原著
外科感染症領域におけるmecA遺伝子検査の有用性
山本 剛
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2023 年 20 巻 1 号 p. 29-33

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抄録

Staphylococcus aureus菌血症例は予後が悪く,MRSAであればさらに死亡率を高くする。外科感染症ではS. aureus以外にもコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)も原因菌として検出される機会も多い。今回,外科領域の感染症例のうち血液培養からStaphylococcus spp.が検出された29例(MSSA 21例,MRSA 3例,CNS 5例)について,mecA遺伝子の有用性について検討を行った。全例においてmecA遺伝子検査の結果を参考に初期治療薬の検討が行われ,感受性検査が判明するまえに使用抗菌薬の適正化が行われていた。mecA遺伝子検査を用いて,早期に抗菌薬の適正化を行うことは患者の予後改善に大きく役立つと考える。

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© 2023, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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