2024 年 20 巻 4 号 p. 507-512
近年,外傷に伴う骨軟部感染症に対して,局所に必要な濃度の抗菌薬を持続投与し,陰圧を用いて病巣部に抗菌薬を誘導,ドレナージすることで感染の鎮静化を図るContinuous Local Antibiotics Perfusion(以下,CLAP)が報告されている。CLAPは,抗菌薬のdrug deliveryの新たな形態とも考えられており,骨髄腔に対してはintra-Medullary Antibiotics Perfusion(iMAP),軟部組織に対してはintra-Soft tissue Antibiotics Perfusion(以下,iSAP),関節内に施行した場合は,intra-Joint Antibiotics Perfusion(以下,iJAP)と称されている。われわれはCLAPを人工股関節周囲感染に対して施行(iJAP)したので,その経験につき報告する。