抄録
【背景】開心術後の深部胸骨感染は予後不良因子である。近年,整形外科領域では感染創治療に持続局所抗菌剤潅流(continuous local antibiotic perfusion:以下CLAP)が注目されている。【方法】当院で2019年以降に術後深部胸骨感染に対してCLAPを応用し早期閉胸による治療を行った6名の治療経過を後方視的に検討した。【結果】6例とも感染制御でき退院可能であった。心不全と肺炎を併発し長期呼吸器管理を要した1例を除くと平均2.5日で呼吸器離脱できた。また大網充填は1例以外で不要であった。【結論】CLAPにより早期胸骨閉鎖をめざした開心術後の深部胸骨感染治療は有用であった。