日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
原著
進行食道癌・根治手術における 周術期感染性合併症が転移再発に与える影響
岡田 尚也木ノ下 義宏高田 実安保 義恭中村 文隆樫村 暢一
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2024 年 21 巻 2-3 号 p. 317-324

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抄録

進行食道癌に対する根治手術治療には大きな侵襲を伴い他消化器外科手術と比較しても周術期感染性合併症に関して一定のリスクがある。学会主導の多施設共同試験にて食道癌手術における術後感染性合併症が癌予後に与える影響が報告された。当施設における食道癌術後の周術期感染性合併症および他因子の転移再発への影響を単施設・後方視的に検討した。Stage ⅡあるいはⅢで観察期間1年以上の82例を対象に感染性合併症・再発に関してそれぞれ単変量,多変量解析によってリスク因子を解析し,感染性合併症に関してはAlb値が傾向のある因子であり(Odds比6.9,P=0.07,95%信頼区間0.82-66.95),再発に関してはAlb値が評価基準となるGPS1以上が有意な危険因子であった(Hazard比3.81,P=0.04,95%信頼区間1.04-24.91)。進行食道癌における周術期感染性合併症の発生は転移・再発に関連を認めなかった。術前Alb値ひいては栄養状態の改善が感染性合併症および再発の抑止に寄与する可能性があり,包括的な対策が必要と考える。

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© 2025, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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