2024 年 21 巻 2-3 号 p. 325-330
閉塞性大腸癌に対する治療戦略は,従来の緊急手術から腸管減圧後の一期的切除の方向へシフトしている。腸管減圧目的の大腸ステント留置後手術(bridge to surgery:BTS)は,短期のみならず長期予後においてもその妥当性・安全性が示されつつあり,今後さらに広がることが予想される。しかし,決して頻度は高くないものの穿孔などの留置に伴うステント関連合併症や術後合併症が発生する。穿孔が予後不良因子であることは良く知られているが,術後合併症の予後への影響は不明である。われわれの検討では,BTS症例における術後合併症は有意な予後不良因子となるが,もう一つの減圧法である経肛門的減圧管症例では予後不良因子とならなかった。本稿ではこれまでのエビデンスを踏まえ,BTSにおける長期予後の観点から周術期合併症の現状とその対策を概説する。