現代ファイナンス
Online ISSN : 2433-4464
論文
国債の価格変動とマコーレイのデュレーション
岸本 直樹河野 修巳
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ジャーナル オープンアクセス

1997 年 2 巻 p. 87-104

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抄録

債券,預金,ローン等の価値は,金利の変化によって変動する.したがって,これらの資産のように,価値が金利に直接依存する金利感応的資産,および,そのような資産から成るポートフォリオの管理においては,価値の金利感応度を測定し,それに基づいて金利リスクを管理することが好ましい.事実,ファイナンスの教科書では,金利感応度による金利感応的ポートフォリオのリスク管理を解説するものが多い.そこで,本論文では,金利感応度の尺度として最も広く使われているマーコレイのデュレーションが,どの程度正確に金利感応度を測定できるかという点について,金利感応的な円資産の中でもっとも流動性の高い国債の月次データを使って検証した.その結果,サンプル期間全体については,観察された金利感応度がマコーレイのデュレーションとほぼ一致したが,各月について見ると,数多くの月で両金利感応度の間に著しく大きな乖離が観察された.

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© 1997 日本ファイナンス学会/MPTフォーラム
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