日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
Print ISSN : 2185-2928
ISSN-L : 2185-2928
原著(研究)
A県における神経難病療養者を地域で支える保健所保健師活動の現況と課題
牛久保 美津子川尻 洋美
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 34 巻 2 号 p. 124-132

詳細
抄録

【目的】難病を取り巻く医療・社会環境が激変する中, 神経難病療養者の地域支援に携わる保健所保健師の活動現況を明らかにし, 切れ目のない地域支援や保健師の支援の質向上をもたらすための課題について考えること.
【方法】A県内保健所の難病担当保健師を対象にした郵送法による質問紙調査.
【結果】保健師の難病担当経験や臨床経験, 管轄地域でかかえる難病患者数はさまざまであった. 知識・技術面では, 呼吸に関する侵襲的な医療処置に関してほとんどわからないとの回答が見受けられた. 実践面では, ほとんどの項目において大変であると感じていることが明らかとなった. メンタルヘルス面では, 保健師の5~7割が療養者や家族, 関係職種との関わりの中でつらい思いを経験していた.
【結論】保健師による難病支援の質向上をめざすためには, ①看護職間による知識・技術面の相互サポートが必要, ②保健師のメンタルヘルス維持のためのケアが必要, ③保健師としての標準的実践内容とその教育のあり方の検討, ④専門看護師立場の人材育成等が示唆された.

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top