抄録
要 旨
帯下異常の主因となる感染性の膣炎のうち, 最多の細菌性膣症の有病率は10∼40%1) , カンジダ外陰膣炎の生涯罹患率は75%2) と高頻度であるが, 帯下異常を主訴にプライマリケア医を受診する頻度は少なく3) , 患者・医療者双方に心理的障壁がある. 一方で, 帯下異常の主因を占める感染性の膣炎は診断・治療に関するエビデンスが集積されており, 膣鏡がなくとも膣【扁】平上皮を含む膣分泌物が採取できれば可能なアプローチも存在する. 本稿では疫学データや国内外の診療ガイドラインをレビューし膣鏡や経膣エコーのない施設でも実現可能な「帯下異常」へのアプローチを紹介する. なお妊娠中の治療および, 不正性器出血については紙面の都合上割愛しており, 詳細は成書をご参照頂きたい.