抄録
目的 : 在宅医療において, 新しい換気モードを搭載した人工呼吸器 (adaptive servo-ventilation (ASV) ) による心不全治療効果を評価する.
方法 : 心不全を有する後期高齢者の睡眠呼吸障害を簡易モニターにより診断し, 8名にASV治療を導入した. 心不全治療効果をNT-proBNPで評価し, 睡眠呼吸障害の改善を無呼吸低呼吸指数 (apnea hypopnea index (AHI) ) で評価した.
結果 : マスクをつけるのが怖いという理由で3名が脱落したため, 残りの5名について分析を行った. NT-proBNPの治療前後での平均変化率は-0.43[95%信頼区間 : -0.64, -0.22]と有意に改善した. AHIの平均変化量は-20.4回/時[95%信頼区間 : -41.2回/時, 0.4回/時]であった.
結論 : ASV治療は, 在宅医療現場における心不全治療に有効である.