日本プライマリ・ケア連合学会誌
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Print ISSN : 2185-2928
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原著(研究)
医薬連携の取り組みとしてのPoint of care testingを活用したワルファリン適正使用の実践
─ワルファリン服用患者の服薬アドヒアランスとTime in therapeutic rangeの評価─
中村 一仁渡邊 法男今枝 直純福井 恵子小倉 行雄大川 洋史浦野 公彦山村 恵子
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2016 年 39 巻 1 号 p. 23-28

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抄録
目的 : ワルファリン (以下, WF) を安全かつ適正に使用するため, 医薬連携に基づく共同薬物治療管理体制を構築し, 服薬アドヒアランスと治療効果に与える影響について評価した.
方法 : WF服用中の外来及び在宅治療中の患者12名を対象とした. 服薬アドヒアランスは患者のWF治療の理解度を, また治療効果はTime in therapeutic range (以下, TTR) を指標として評価した. 薬剤師は診察前に患者面談しPT-INRを確認するためコアグチェック ®XSを用いたPoint of care testing (POCT) を活用した. 同時にWFの服薬状況及び副作用発現の情報を収集し, お薬手帳あるいは施設間情報連絡書を用いて, 医師へWFの服薬管理状況を報告した. さらに, 診察前面談の開始前後におけるWF服薬アドヒアランス評価とTTRの推移を評価した.
結果 : 服薬指導前後のWF治療の理解度は, 4.8±1.9 (平均値±S.D.) 点から6.8±2.4点に有意に向上した (P=0.0079, wilcoxon signed-rank test) . 診察前患者面談を開始前及び開始後24週のTTRは, 21.9±29.8 (平均値±S.D.) %から60.5±30.5%に有意に改善した (P=0.0024, wilcoxon signed-rank test) .
結論 : 薬局の薬剤師が診察前にPT-INRを把握し, 目標治療域の維持を目的として医療機関とプロトコールにもとづく共同薬物治療管理体制を構築することは, 患者のWF服薬アドヒアランス及び治療効果の向上に繋がることが示唆された.
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© 2016 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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