日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
Print ISSN : 2185-2928
ISSN-L : 2185-2928
原著(症例報告)
高血圧を伴わない腰動脈瘤破裂 ; 神経線維腫症1型の1例
柴﨑 俊一谷 直樹磯部 隆荒木 真佐藤 泰吾谷内 法秀
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2016 年 39 巻 1 号 p. 37-39

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抄録
神経線維腫症1型 (Neurofibromatosis types 1, 以下NF-1) は国内患者数が約4万人で, プライマリ・ケア医が遭遇する疾患である. 腫瘍性病変が有名で予後規定因子として知られるが, 他に動脈瘤を合併しうる. これは従来高血圧の結果とされ, また予後規定因子として注目されていない. 今回, 高血圧のないNF-1患者が腰動脈瘤破裂で急激にショックとなった1例を経験した. NF-1の55歳女性が, 突然の左鼡径部痛で救急搬送された. 造影CT, 動脈造影にて腰動脈瘤破裂と診断された. 来院後にショックとなり, コイル塞栓術が行われ, 救命された. 動脈瘤がNF-1の予後規定因子となる可能性, その成因は高血圧以外に, 近年いわれるNF-1自体の血管脆弱性による可能性が臨床的にも支持された.
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© 2016 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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