2017 年 40 巻 3 号 p. 136-142
目的:我が国の在宅高齢者に対する服薬支援の状況と課題の全体像を捉えるため,職種横断的に文献検討した.
方法:2000年1月から15年間に出版の原著論文を,「高齢者」「在宅」「服薬管理/服薬指導」のキーワードを組み合わせ検索した.対象文献から,結果に高齢者に対する服薬支援の状況と課題についての記述を抽出し,内容分析を用いて質的に分析した.
結果:34文献が抽出された.服薬支援者は,家族・身近な人,訪問介護員,看護師,医師,薬剤師,服薬支援装置であった.支援の状況は<服薬介助><服薬管理><連携調整>に,支援の課題は<職種間の情報共有と連携><高齢者の能力と生活に合った対応><服薬支援のための体制整備>に分類された.
結論:在宅高齢者の服薬支援における問題として,支援者間での情報共有と連携が不足していることが明らかになった.