日本プライマリ・ケア連合学会誌
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原著(研究)
受診目安ハンドブックの住民全戸配布は住民の時間外診療件数に影響を与えるか 中断時系列分析
菅家 智史森 冬人坪井 聡若山 隆葛西 龍樹
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2019 年 42 巻 4 号 p. 191-197

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抄録

目的:時間外受診の適正化は医療システムにおける大きな問題である.全年齢層を対象に時間外受診の目安を示したハンドブックを自治体全戸へ配布したことが住民の時間外受診件数に与えた影響を検討する.

方法:2011年7月福島県只見町は住民全戸へ時間外受診の目安を記載したハンドブックを作成し配布した.町唯一の医療機関である国民健康保険朝日診療所の2010年1月から2012年12月における1ヶ月あたり時間外受診件数を中断時系列分析を用いて解析した.

結果:ハンドブック配布前の傾きは0.0071 (95%信頼区間 -0.011,0.025)であったが,ハンドブック配布に伴う傾きの変化は -0.0061 (-0.034,0.022)であった.

結論:医療機関受診の目安を解説したハンドブックを住民全年齢層を対象に配布した施策では,時間外受診件数の有意な変化は認めなかった.

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© 2019 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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