日本プライマリ・ケア連合学会誌
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総説
家庭医の専門医養成におけるメンタルヘルスのcompetencyに関するscoping review
河田 祥吾岡田 唯男高橋 亮太鵜飼 万実子
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2021 年 44 巻 3 号 p. 116-127

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抄録

メンタルヘルスをプライマリ・ケアへ統合することは,適切なケア,アウトカム改善,資源の適正利用などへ貢献し,世界的な潮流である.諸外国においては,プライマリ・ケアでのメンタルヘルス教育の開発がされてきたが,日本において家庭医への体系的な教育は十分でない.

本稿では,家庭医養成で求められるメンタルヘルスのcompetencyを明らかとすることを目的にscoping reviewを行い,諸外国の教育カリキュラムなどをthematic analysisを用いて分析した.抽出されたcompetencyは,「プライマリ・ケアの一般的能力」「プライマリ・ケアにおけるメンタルヘルスの一般的能力」「プライマリ・ケアにおけるメンタルヘルスの特異的能力」に大別される包括的なものであった.本稿のデータを基に,日本の現状を踏まえたcompetency list作成やモデルカリキュラムの策定などが求められる.

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© 2021 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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