日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
Print ISSN : 2185-2928
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原著(研究)
Webアンケートを活用した緊急避妊薬に対する薬剤師の意識に関する横断的研究
久保田 理恵瀬﨑 瑛美
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2023 年 46 巻 2 号 p. 43-51

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抄録

目的:緊急避妊薬(ECP)のオンライン診療では,研修を受けた薬剤師が調剤,服薬指導を行う.またECPのover-the-counter(OTC)化についても検討されている.本研究は薬剤師のECPへの意識や取り組み現状を明らかにする.

方法:無作為に選択された薬局薬剤師229名を対象に,Webアンケート調査を実施した.

結果:薬剤師のECP関連知識の自己評価は作用機序の知識不足31.9%をはじめ低く,薬剤師の60.3%は女性の心理面サポートに不安があることが示唆された.オンライン診療によるECP処方箋を応需した薬剤師はいなかった.46.9%が将来研修を受講し処方箋を応需したいと考えていた.44.5%の薬剤師は,ECPのOTC化に反対だった.

結論:多くの薬剤師はECPの知識不足,患者の心理的サポートに不安を感じている.対応マニュアルや説明書,OTC化への準備も必要であると考えられた.

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© 2023 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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