2023 年 46 巻 2 号 p. 43-51
目的:緊急避妊薬(ECP)のオンライン診療では,研修を受けた薬剤師が調剤,服薬指導を行う.またECPのover-the-counter(OTC)化についても検討されている.本研究は薬剤師のECPへの意識や取り組み現状を明らかにする.
方法:無作為に選択された薬局薬剤師229名を対象に,Webアンケート調査を実施した.
結果:薬剤師のECP関連知識の自己評価は作用機序の知識不足31.9%をはじめ低く,薬剤師の60.3%は女性の心理面サポートに不安があることが示唆された.オンライン診療によるECP処方箋を応需した薬剤師はいなかった.46.9%が将来研修を受講し処方箋を応需したいと考えていた.44.5%の薬剤師は,ECPのOTC化に反対だった.
結論:多くの薬剤師はECPの知識不足,患者の心理的サポートに不安を感じている.対応マニュアルや説明書,OTC化への準備も必要であると考えられた.