目的:本研究は複合的課題を持つ利用者に対する多職種連携の必要性の判断における熟練訪問看護師の思考と実践を明らかにすることを目的とする.
方法:訪問看護経験年数,所属等の条件を満たした訪問看護師7名に半構造化面接を行い,思考と実践に関するデータを質的に分析した.
結果:複合的課題を持つ利用者支援で多職種連携の必要性を判断する際の熟練訪問看護師の思考として【関係機関・職種の共通理解を育むことを意図する】等7カテゴリーが抽出された.関係機関・職種への実践は【利用者・家族の状況に応じた体制を整える】等8カテゴリーが,利用者・家族への実践は【家族の介護負担を減らすように関わる】等4カテゴリーが抽出された.
結論:熟練訪問看護師が関係機関・職種との共通理解を重視しながら様々な手段を駆使して多職種連携を進める実態が明らかとなった.連携においては看護職としての専門性を活かした見立てやマネジメントが求められる.
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