2024 年 47 巻 2 号 p. 34-42
目的:多剤併用中の患者に対し患者自身の減薬に関する意向や傾向,薬効・副作用の主観的理解度を調査し,ポリファーマシー是正のための情報基盤構築に貢献することを目的とする.
方法:入院時に持参した内服薬が5種類以上の成人患者を対象とし,減薬への意向や傾向,薬効・副作用の主観的理解度などついてアンケートを用いて調査した.
結果:減薬への意向がある患者は100名中62名で,管理や飲み合わせ・副作用を理由に挙げ,その割合は内服薬数の増加に伴って増加する結果となった.また,減薬への意向がないと回答した38名のうち,21名 (55.3%) が,医師に処方されたことを理由に挙げた.自身の服用薬に関する薬効の理解度は75歳以上で有意に低下したが,副作用に関する理解度は年齢や内服薬数で差はなかった.
結論:処方の適正化を推進していくために,患者の意思や処方医との関係性を確認していく必要がある.