2024 年 47 巻 4 号 p. 126-129
目的:発熱を主訴に大学病院総合診療科を受診する患者の原因疾患について検討した.
方法:2018年4月から2020年3月の筑波大学附属病院総合診療科の全初診患者を対象とした.診療録から主訴分類にプライマリ・ケア国際分類第2版を用いて主訴に発熱(A03)が含まれる患者を抽出し,診断名を調査した.
結果:対象患者610名のうち主訴に発熱が含まれる対象者は85名であった.内訳は,感染症31名(36%),非感染性炎症性疾患9名(11%),悪性疾患3名(3%),その他14名(16%),原因不明19名(22%),疾患無し9名(11%)であった.原因疾患は,感染症はウイルス感染症など,非感染性炎症性疾患は膠原病など,悪性疾患は全て血液疾患,その他は薬剤性などであった.
結論:原因疾患としては感染症が最多であった.生理的な範囲の体温であっても器質的疾患を心配して受診する患者も存在した.