日本プライマリ・ケア連合学会誌
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Print ISSN : 2185-2928
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原著(事例報告)
健診で無症候性の両側うっ血乳頭を指摘され,鼻粘膜生検で診断に至ったIgG4関連肥厚性硬膜炎の一例
山代 薫小泉 健佐藤 朋江林 亮佑小澤 鉄太郎横山 侑輔飯川 龍園田 日出男高野 徹味岡 洋一眞島 卓弥
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2026 年 49 巻 2 号 p. 81-87

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抄録

健診で両側うっ血乳頭を指摘された63歳男性.自覚症状はなく,一般身体所見,神経所見に異常を認めなかった.血清IgG4値は563 mg/dLと著明高値であった.頭部造影MRIでは両側傍トルコ鞍,傍海綿静脈洞に造影効果を伴う軟部陰影と両側涙腺腫脹,右鼻粘膜肥厚を認めた.右鼻粘膜生検ではIgG4陽性形質細胞の高度浸潤と組織の線維化を認め,IgG4関連肥厚性硬膜炎と診断した.治療介入せず経過観察したところ,血清IgG4値は低下しうっ血乳頭も消失した.眼窩後方の海綿静脈洞周囲を含む領域の占拠性病変はうっ血乳頭を引きおこす可能性がある.海綿静脈洞周囲の病変は頭部単純MRIでは見逃されやすいため,両側うっ血乳頭を呈する症例に対しては積極的に眼窩造影MRIを撮影することが重要である.血清IgG4値の上昇を伴いかつ鼻粘膜肥厚を認める頭頚部領域のIgG4関連疾患を疑う症例では,鼻粘膜生検が診断に寄与する可能性がある.

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