言語研究
Online ISSN : 2185-6710
Print ISSN : 0024-3914
論文
複合語形成における外心性
セルジオ スカリーゼアントニオ ファブレガスフランチェスカ フォルツァ
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 135 巻 p. 49-84

詳細
抄録

複合語が外心構造か内心構造かは主要部の概念にかかっている。すなわち,主要部を持つ複合語は内心構造,主要部を持たない複合語は外心構造とされる。主要部の概念は通常,一元的なものと見なされるので,したがって外心性も従来は一元的な概念とされてきた。本稿では,まず,外心構造の基準と制限について類型論的なデータを提示し,それに基づいて,主要部の概念が,範疇としての主要部,意味的な主要部,形態論的な主要部という3つの異なる要素に分かれることを論じる。これにより,外心性という概念も,範疇の外心性,意味の外心性,形態的特徴の外心性に分割される。本稿では,複合語全体ではなく複合語の構成要素の性質に基づいて,外心複合語に関する新しい分析を提示する。

著者関連情報
© 2009 日本言語学会, 著者
前の記事 次の記事
feedback
Top