トルコ語のアクセントに関するこれまでの議論は,強さアクセントであることを前提にして,最終音節にストレスがない例外アクセントにおいてストレスの位置がどこにあるのかを指定することを模索するというのが主流であった。本稿では,強さアクセントではなく,高さアクセントであることを前提にして,どこに下がり目が指定されるかを考察している。その結果,下がり目がなければ基本アクセント,下がり目があれば例外アクセントとし,例外アクセントには主に2種のタイプがあることを提示した。例外アクセントAはその前に下がり目があればその前の下がり目を優先するタイプで,例外アクセントBはその下がり目が最優先されるタイプである。また,例外アクセントには,意味カテゴリー表示機能によって,初頭音節の直後に下がり目があるタイプがあることも提示した。