言語研究
Online ISSN : 2185-6710
Print ISSN : 0024-3914
特集 日本語アクセント記述研究の新展開
南琉球宮古語池間方言・多良間方言の韻律構造
五十嵐 陽介
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2016 年 150 巻 p. 33-57

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抄録

琉球語南琉球語群宮古語の方言である池間方言と多良間方言は3種類のアクセント型が対立するいわゆる三型アクセント体系を有する。両方言のアクセント型の区別は広範な環境で中和する。また両方言は,日本語諸方言と比較して複雑なアクセント型の実現規則を有する。本稿は,両方言の韻律構造を記述するためには,2モーラ以上の語根および接語が写像される韻律範疇である韻律語を仮定しなければならないことを示す。また本稿は,韻律範疇を扱う理論的研究の知見を踏まえながら,問題の韻律範疇に韻律語の地位を与えることの妥当性に関する予備的な議論を行う。

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© 日本言語学会, 著者
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