高温環境下である海底熱水循環系内部における微生物活動の有無を検証する目的で、沖縄トラフ伊平屋凹地海底熱水域において、ベント毎に分けて熱水試料の採取と溶存メタンの炭素安定同位体比を中心とした分析を行った。熱水は多連式ガスタイト採水器を用いて噴出口に直接採水口を挿入して採取した。分析の結果、溶存メタンの炭素安定同位体比は-52から-55permilPDBと分析精度を有意に超える不均一を示し、地域的には熱水地帯の北寄り部分がその他の地域と系統的に異なることがわかった。さらに現在、鳩間海丘でも観測を行っており、この結果も合わせて海底熱水系内部にける微生物活動が熱水溶存メタンに与える影響ついて考察する。