抄録
鍾乳管は鍾乳石がストロー状に成長したものであり、石灰岩地域の洞窟にみられる。コンクリートストローは上記の鍾乳管がコンクリート建造物に成長したものである。両者とも主成分はCaCO3であり外見もにているが、以下のような違いがみられた。
1.成長速度は鍾乳管が2.5_から_6.0mm/yで、コンクリートストローは10_から_20cm/yであった。
2.コンクリートストローは蒸発乾固を繰り返し成長するためか、硝酸イオンを比較的高濃度で含有していた。
3.鍾乳管のMg2+濃度はコンクリートストローの数十倍以上であり、両者の結晶構造の違いが示唆された。