日本地球化学会年会要旨集
2004年度日本地球化学会第51回年会講演要旨集
セッションID: 1P32
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東シベリアマンモス象臼歯化石のアミノ酸の14C年代とラセミ化反応
*南 雅代竹山 雅美中村 俊夫
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抄録
東シベリアマンモス象臼歯化石の14C年代とアスパラギン酸ラセミ化率を測定した。臼歯化石は象牙質,エネメル質,セメント質,歯根部の4部位に分けて分析を行った。部位の違いによって,またアミノ酸成分とゼラチン成分で1000-2000年の違いがみられたが,この臼歯化石は約37,000 BPの年代を示すものと考えられた。臼歯化石のD/Lアスパラギン酸比は歯根部を除いて現生のコラーゲン試薬のD/L比とほとんど変わらず,ラセミ化が進んでいなかった。したがって,この臼歯化石は約37,000年前に埋没してからラセミ化の進まない環境下にあったと考えられる。これは臼歯化石が永久凍土中で発見された事実と矛盾しない結果である。臼歯化石の歯根部は14C年代もD/L比も象牙質,セメント質とはふるまいが異なっていた。本講演ではこの違いについても議論したい。
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© 2004 日本地球化学会
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